茶柱です
「日が良い」とか「日が悪い」とか
「暦(こよみ)」を気にする? しない?
カレンダーの話・その1 から続く
「家」にまつわる決断は、大抵の人にとって人生の大事業。ですから、
着工や地鎮祭、引越しなど、住まいの重要な日を選ぶとき
「せっかくなら、日が良い方がいい」と考えるのも、
自然なことかと思います。
では一体、「日が良い」のは、いつなのか?
この時に重視されるのが、
「暦注(れきちゅう)」です。
「暦注」というのは、「暦」に付記される、
日時や方位などの吉凶や、その日の運勢、
つまり、暦に加えられる「注釈」といったところです。
例えば「大安」とか「友引」などは
『六曜』という暦注で、現代でもわりと浸透していますよね。
そしてもう少し細かく記されているのが
『十二直(じゅうにちょく)』という暦注。
この『十二直』は、
北斗七星の動きをもとに作られていて、
大工さんや土木関係者に重視されてきた、という歴史があります。
『十二直』とは、以下の十二種類。
建 除 満 平 定 執
破 危 成 納 開 閉
読み方は、それぞれ順に
たつ のぞく みつ たいら さだん とる
やぶる あやぶ なる おさん ひらく とづ
「中段」とも呼ばれ、「暦」の本や
昔ながらの日めくりカレンダーなどに、
今でもちゃんと記載されています。
(青い囲み部分↓)
この『十二直』のうち
建築・土木・普請 などにおいては
以下の六つが重視され、意味を見ますと、
建(たつ) 棟上げ、柱立て、開店、移転などすべて大吉。土動かしは凶
満(みつ) 建築、開店、移転などすべて吉
平(たいら)地固め、柱立てなど円満
定(さだん)建築 開店 移転など吉。普請、造作、植木などは凶
成(なる) 建築、開店、種まきなど吉。
開(ひらく)井戸掘り 建築、開店、移転など吉。
いかがでしょうか。
ややこしそうですが、よくよく見ると、
おおむね「この日は良いよ!」の意味ですので、
しばりはそれほどキツくないのです。
今以上に昔は、建物を作るときに危険を伴いました。
また、火事や天災などの厄災を祓う意味でも、
先人たちは、良い日決めをして、最善を尽くし、
未来の安全を祈ったわけですね。
大事業ゆえ、最善を尽くした先人たちの心、
受け継いでいきたいです。
さて、本年もお世話になりました。
新しい年が、皆さまにとって良い年になりますように。
良いお年を!